日本ではコロナ禍に伴い、リモートワークの新たな働き方として「ワーケーション」が注目され始めました。
ワーケーションとは「ワーク(Work=仕事)」と「バケーション(Vacation=休暇)」を組み合わせた造語です。通常の仕事場から離れた場所で余暇を楽しみながら仕事を行うことを指します。近年では、社員の生産性向上や会社へのコミットメントを高める目的でワーケーションを導入する企業も増えてきています。
CRAIDには制度として、海外に滞在しながら働くことができる「海外ワーケーション制度」が存在します。私はこの制度を利用して約120日間海外を旅しながら仕事をしてきました。
この記事ではワーケーションの魅力と、私が実際にワーケーションを通じて感じた効果を紹介していきます!
ワーケーションで期待される効果
1. ストレスが解消される
(出典:ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与するワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施|株式会社NTTデータ経営研究所)
NTTデータの研究によれば、ワーケーションを実施することで、公私を分離する志向が強まり、リカバリー経験(就業中に感じた疲労やストレスを低減し、元の活力や心理状態に回復させるための活動)を持つことでメンタルの健康状態が改善されることが証明されました。
実際に行われた実験では、社員のストレス値がワーケーション導入前と比べて37.3%低減したことが判明しました。
2. 生産性の向上に繫がる
(出典:ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与するワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施|株式会社NTTデータ経営研究所)
同様にNTTデータの研究では、仕事のパフォーマンスの変化も計測しています。結果として、ワーケーション実施前と比べて社員のパフォーマンスが20%向上し、その効果はワーケーションが終わってからも約5日間も持続することが判明しています。
3. 創造性が高まりアイデアが生まれやすくなる
(出典:独自に作成)
人の脳には「ぼーっとしている時」に活動するDMN(デフォルトモードネットワーク)という神経回路が存在します。これが活性化することで、脳内の情報が整理され、新たなアイデアが生まれやすくなります。
自然な環境に身を置き、仕事の緊張から離れることでアイデアが生まれやすくなった経験はないでしょうか。遠くに行かなくても、公園に散歩に出るだけでも同様の効果を得られることがあります。
CRAIDの海外ワーケーション制度
CRAIDには「海外ワーケーション制度」が存在します。
社員のエンゲージメントと生産性向上を目的に、国内外を問わず、働く場所に縛られずに業務を行えるよう制度化されています。会社に申請を出し、許可が下りれば海外に滞在しながらも仕事をすることが可能になります。
ただし、「自由に誰でも海外滞在が許可される」という制度ではありません。
- 一定のグレードに昇格した社員から利用可能
- 現地調査のもと許可の出た地域のみ渡航可能
- 外務省が指定する危険地域(紛争、感染症等)がレベル3以上は渡航不可
など、複数の条件が存在し、これらの条件をクリアした場合のみ「海外ワーケーション制度」の利用が許可されます。
「海外ワーケーション制度」を使って私が訪れた国
実際に「海外ワーケーション制度」を利用して以下の国を訪れました。
- タイ
- カンボジア
- ベトナム
- フィリピン
主に東南アジア圏内での旅行生活でした。比較的日本から近い場所を選んだ理由は、時差が少ないことです。私のプロジェクトでは頻繁にミーティングが行われるため、時差が大きいと仕事と生活に支障をきたすことを懸念し、このような選択をしました。
旅の期間は合計で121日であり、1年のうち約1/3の期間を海外でワーケーションしながら過ごしました。フィリピンにはCRAIDの子会社が存在するため、現地のエンジニアと一緒に仕事をする機会もありました。
セブ支社では休日に島巡りを楽しめます!(関連記事 : セブ支社の社員旅行でカモテス諸島にアイランドホッピング!)
ワーケーション時の過ごし方
生活拠点はゲストハウス
宿泊は基本的にゲストハウス(ドミトリー)でした。ゲストハウスは一部屋に複数人が宿泊できる宿泊施設で、1泊約1,000円で泊まることができます。
(フィリピンのゲストハウス | ベッドの中が自分のスペース)
(タイのゲストハウス| 共有ルーム)
シャワーや食事、仕事は共用ルームですることが可能です。
様々な国からの旅行者が訪れるため、自然と会話も生まれやすく、英語を実践的に使うことができました。ゲストハウス生活で英語力も向上しました。
平日は日本と変わらず通常業務
平日は日本と同様に通常業務を行います。
ワーケーションをしているからといって、日中遊んでいるわけではありません。
(カンボジアのゲストハウス | 食事スペースで作業)
日本時間で10時始業19時就業ですが、タイやカンボジア、ベトナムでは日本との時差が2時間あるため、8時始業17時就業となります。朝早くに仕事が始まり、日が暮れる前に仕事を終えることができるので、終業後は近場のナイトマーケットに出かけたり、周辺の観光地を巡ることができました。
休日は観光地でリフレッシュ
休日はバスで長距離移動をして都市を移動したり、有名な観光名所を訪れたりしました。
(カンボジア アンコールワット)
(フィリピン パラワン諸島 コロン島)

(タイ パンガン島 | フルムーン・パーティー)
また、新たな土地に移動した際には平日の仕事環境を探しにいきます。
リモートワーカーにとってWI-FIは生命線です。カフェやコワーキングスペースを巡り、WI-FIの強い環境を見つけてはリストに追加していました。
ワーケーションの効果はあったのか
ワーケーションで期待される効果として挙げた「ストレス軽減」「生産性向上」「創造性向上」のうち、「生産性向上」以外はすべて実感することができました。
ストレス軽減については、休日に仕事のことで無駄に悩まされることが減りました。
会社との物理的距離が開くことで心理的距離も得ることができたのが大きいと感じています。
しかし、仕事時のコミットメントは不思議と向上し、仕事に対する意欲も高まりました。かといって生産性が向上したかというと、実感としては薄かったです。何か定量的に測るようなログを残せば、変化があったのかもしれません。
創造性については、アイデアが生まれやすくなったと実感しています。普段「こんなことをしたら面白いだろう」と思うアイデアはメモ帳に記録しているのですが、ワーケーション期間中は1.5倍ほど記録する量が増えました。
実際に感じた魅力とは
個人的にワーケーションの最大の魅力は人生の満足度向上だと感じています。
私の好きな小説によれば、「人生には4つの領域がある」とされており、「経済」「愛情」「健康」「精神」と分類されています。ワーケーション生活中において、「経済」と「精神」の2つの領域で満足感が高まったと感じています。
私の場合、ここでいう「経済」は「会社における仕事」を指しています。
集中できる環境で仕事に取り組むことができた結果、視野が広がり仕事をより楽しく取り組むことができました。「精神」についてはストレスの軽減に加えて、精神的に逞しくなれたと実感しています。
日本の常識が通じない環境で、1人で旅をしながら各国を巡るうちに些細なことで感情が揺れ動くことが少なくなりました。へこたれなくなった、というのが近いですかね。



